マンション管理士/年収のお話し
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とりあえず受けてみた創設期受験者

マンション管理士の試験は平成13年にスタートしました。初年度は、創設されて話題になったということもあるでしょう、なんと10万人近い人が受験をしています。
ここ2~3年の受験者数は2万人弱です。創設から10年が過ぎ、ようやく試験制度に落ち着きが出てきたということでしょう。しかし受験者数の推移のことは当サイトの主要なテーマではありません。

大事なのは以下のことです。この13年近くの間に、マンション管理士に合格した人は、全国で約3万人います。
そして実際の登録者数(マンション管理士の名称を用いる事が出来る者)は約2万5000人くらいです。
ところがマンション管理士情報検索サービスに登録をしている人(実際にこの資格を活かして事業を営んでいる人)となると、人数は3000人くらいに激減してしまいます。まあ、開業者の皆が皆、営業はインターネット頼みということもないでしょうから、実稼働者の数字はもう少しは高くはなるのでしょう。
それにしても、試験に合格・資格登録をしている人のなかで、実際にマンション管理士として仕事をしている人は5人に1人位というのが現実です。

現実を知り、みなさんは少し気おくれされたでしょうか?
管理人としてもマイナス情報を提供しているようで心苦しいところもありますが、やはり現実を避けて、夢や憧れだけでは前へは進めません。上記の数字の意味をもう少し詳しく解説していこうと思います。

●合格者の半数は、試験初年度と2年目の人です。

平成13年度の合格者は7,213人で平成14年度は3,719人。足してみると1万1000人位です。
平成25年度時点での累計合格者が3万人位ですので、いまはまだ試験初年度と2年目の合格者が累計合格者の半数以上を占めていることです(ちなみに近年の合格者は毎年1500人前後です)。

このことが何を意味をしているか。私見にはなりますが、受験者側にも「創設期は受かりやすい」という思惑があったのだと思います。わるく言えば「目新しい資格でもあるし、とりあえず受けてみるか」、そして受かったということです。受験者の中には、そもそも開業する意思のない方もたくさん含まれていたであろう、ということです。

●自主管理志向の50代・60代。

以下は、平成21年度の試験データを年齢別に見たものです。ちょっとめずらしい事実に気づくはずです。ご覧になってみてください。

<年齢別受験者の傾向 平成21年度>
年齢 受験申込者数 受験者数 受験率 合格者数 合格率
~29歳 2,324(10.6%) 1,952(10.2%) 84.0% 183(12.7%) 9.4%
30歳~39歳 5,145(23.5%) 4,289(22.4%) 83.4% 426(29.5%) 9.9%
40歳~49歳 5,230(23.8%) 4,507(23.6%) 86.2% 351(24.3%) 7.8%
50歳~59歳 5,461(24.9%) 4,875(25.5%) 89.3% 283(19.6%) 5.8%
60歳~ 3,775(17.2%) 3,497(18.3%) 92.6% 201(13.9%) 5.7%
合計 21,935 19,120 87.2% 1,444 7.6%

30代、40代、50代を比べた時に、もっとも受験者比率の高いのが50代です。60歳を超える受験者も少なくありません。これほど年配の方の受験者の多い国家資格はちょっと他にはありません。
定年退職後に開業して、もう一花咲かせたい?そういう方もいなくはないでしょう。
しかし年配世代の方が受験をする動機の主なものには、「自分たちのマンションは自分たちで守ろう」とする、いわゆる自主管理志向にあります。
マンションの管理は、マンション管理士に顧問料を支払い委託することも、管理組合主導で、自分たちで管理することもできます。
お金のからんでくることですので、マンションオーナーにも切実な思いはあるのです。
次ページに続きをお話しますが、制度創設から10年、いまだマンション管理の世界は、黎明期の混沌にあることを、管理人はまず解ってほしかったのです。